ピアノアクションの部品の素材の変化

ピアノ調律
10 /16 2008
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画像はアップライトピアノのアクションです。鍵盤を押すとこのアクションが動き、上のほうの丸いフェルト製のハンマーが前進して弦を叩くことで音が鳴る仕組みです。
金属製のスプリングや鋳物のブラケット、そしてフェルト製のハンマーを除くとほとんどの部品が木材でできています。
この部品の一部が樹脂製品になっているということをヤマハピアノのウィークポイントとして指摘する方が技術者、ユーザー問わず結構いらっしゃいます。
要するに本来木材を使ったほうが良いのにコストダウンのために簡単に加工できる樹脂部品にして、その結果品質が落ちている。という言い分です。
私の考えは全く逆でして、ヤマハのアクションの場合は画像に印しました、「キャプスタンボタン」と「ジャック」の二つの部品が樹脂部品になっています。この部品は演奏時、またはピアノの調律、調整の際に部品にかかる負荷が大きいので木材ですと破損することが時々あります。キャプスタンボタンは調整の度にクルクル回すのでねじ込みが緩くなっていくこともあります。
そのため、強度の高い素材に換えているということです。
今から40年くらい前の製造のピアノからすでにこのような部品に代わっていきました。モデルとしてはヤマハ U1E、U1Fあたりからだと思います。
カワイピアノも同じころ、同様の部品に樹脂製品を使うようになりましたが、カワイの場合はヤマハとはコンセプトが違うようで、その後ほとんどの部品を樹脂製品に代えまして、今ではハンマーシャンクとハンマーウッド以外はほとんどプラスチックではないでしょうか。
これに関してはなんとも意見のしようがなく、個人的には「ちょっとやりすぎでは・・」「適材適所の範囲ではないような・・」という気がします。
げんにモデルでKS2Fあたりのアクションはちょっとした湿度の変化に耐えられない(湿度が上がるとすぐに動かなくなってしまいます)製品でした。
今のアクションは「高性能の部品」として、真っ黒いプラスティックになっていますね。カーボン素材配合とか。そのおかげなのか比較的新しい製品は多湿な環境にも強くなっているようです。
ただ、ほとんどの部品を樹脂製にしてしまうと木材との硬さが違うので演奏者の指に伝わる感触に影響があり、そのことは私自身も弾き比べて実感しています。
ジャック、キャプスタンも木材だったK48は数十年たった今でもタッチの柔らかさを感じることができます。(個体差はありますが)それに比べてしまうと同等機種で新しいUSシリーズなどはゴツゴツ感がありますね。
ヤマハ、カワイ以外のメーカーのピアノはこれらを意識しているのかほとんどはジャックもキャプスタンボタンも昔のように木材です。
ですので私と考えの違う方がウィークポイントとして指摘していることが、本当に製品の品質を下げているということにならないよう、良いピアノを作ってほしいと思っています。
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中古の消音ユニット

ピアノ調律
10 /13 2008
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ここ最近中古の消音ピアノユニットが時々出てくるようになりました。中古ということはピアノに取り付けられていたものを外したユニットということになります。
多くは保証期限が切れたもので再販売というわけにはいかないのですが品質や性能には問題の無いものばかりなので、ご依頼があれば取付費用程度いただければ取付させていただいています。
現在テクニクスが2台ほどありますのでご興味のある方がいらっしゃいましたらお問合せ下さい。

楽器の価格と品質の違い

ピアノ調律
10 /11 2008
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どちらの楽器もアルトサックスです。
見て比べた位ですとどちらも同じ様な綺麗な楽器に見えますが、片方はセルマー社の¥40万ほどの楽器でもう一つはアジアのある国の¥5万ほどの楽器です。
同じ楽器でなんでこんなに価格に差があるのか!?不思議ですよね。私も不思議です。
ですので廉価品がどのようなものか吹いてみて検証してみました。
サックスのメーカーではセルマーの他にも日本製ですとヤマハ、ヤナギサワが有名です。どれらも普通に吹けます。この「普通」が当たり前のように感じていましたが、廉価品ではそれが全く通用しないことが分かりました。
まず音だしです。これは思っていたより印象が良くて最低音から最高音まで問題なく演奏することが出来ました。しばらく吹いて楽器を暖めてからチューニングです。基音の合う事を確認して、いざ他の楽器とスケールの練習をした時に問題が起こりました。
基本の音のみあわせてもそれ以外の音程がバラバラなのです。
ここで初めて気がついたことは安物の楽器では「変な癖が付く」です。
初心者がそういう楽器を始めて手にしたらその音程の狂いは楽器ではなく自分の演奏技術の足りなさだと感じるはずです。その為狂った音に合わせて無理なアンブシュアを作って音を作るので後々確かな楽器を手にしたときにその癖を克服することが困難になるのだと思います。
それ以外に感じたことは各キイの重さや位置がバラバラでとても演奏し難いということです。これも楽器それぞれ個体差がありますので良し悪しは付け難いですが演奏者の指の動きに合う楽器でなければやはりダメではないかと思います。

「初心者に最適」ということで安価な楽器を販売する商法はサックスに限らずピアノでも同じです。
初心者に最適なのではなく

「「初心者には分からない」」

ということです。

ピアノは弾く人が触るのは鍵盤だけですよね。(あとペダルは踏みます。)
中身がどのようになっているかなんて初めてピアノを弾く人(見る人)は分からないので、それこそ良いピアノとは何なのだ?と悩まれると思います。
これからのブログのを通じてそんな悩みをお持ちの方の疑問を解決できるお手伝いが出来たらと考えています。



中国製ピアノの気になる販売手法

ピアノ調律
10 /09 2008
ヤマハピアノ、カワイピアノと聞くと日本の有名なピアノメーカーだということは誰でも知っていると思います。
しかし聞いたことの無い横文字のブランド名のピアノを見たり、広告やそれらを扱うホームページを見るとどこのメーカーでどこで作られているのかはっきりと知ることが出来ません。
それがとても問題だと私は感じています。
それらのほとんどは中国製であり、そのことを伏せているとしか考えられない内容の物が多いです。
例えば、、
(木目、チッペンデール調のピアノを指して)「本格ヨーロッパのデザイン!」
ってヨーロッパのどこの国の誰のことをいって本格的なデザインとしているのかとか

「ピアノの本場ドイツの設計のアクション」とアクションにドイツの国旗のシールが貼ってある。。等
笑ってしまいました。

笑っていられるうちは何も問題は無いのですが、驚くことにこれらのピアノを購入したユーザーの中にはピアノが納品されて尚、原産国を知らない方が多くいるということです。
調律に伺った先でお客様が「これはドイツ製の輸入ピアノなんですよ」とおっしゃられると本当の生産国のことは口に出来ません。
10年近く調律の仕事をしてきましたが本当にこのようなことに数回出会いました。

中国製のピアノの品質は確かに向上しているのだから販売する側ももっと自信を持って正しい情報をお客様に伝えてほしいと思います。

中国製のピアノを考える

ピアノ調律
10 /08 2008
国産の新品ピアノの販売台数が低迷している中、中国製のピアノが国内でも多く見られるようになりました。
品質や性能などが良くないのではないかというイメージがありますが、下手な国産のピアノより優れているピアノを見ることもあります。タッチの反応がよくストレス無く弾けて、柔らかい音色も均一に揃っているピアノ。数年前の中国製ピアノでは考えられない程、品質が向上しています。
はじめに申し上げますが、これは中国製のピアノの宣伝をするものではございません。まず、私自身はそれらのピアノを取り扱ったり販売したりはしませんし、現時点では今後の取扱いの予定もありません。
理由の一つとしましてはまだ全てが新しく、新品時のコンディションが良くても、これから年数を経て行った時の耐久性、良品質の持続性など分からない事ばかりだからです。

今から2~30年くらい前も今と同じ様な状況がありました。好景気もあって国産のヤマハ、カワイピアノが普及していた頃、原価の安い韓国製のピアノが輸入販売されました。デザインも良く、国産に比べてはるかに安価だったので多く売れましたが、質が悪くチューニングピンのトルクが弱く調律の保持力が悪かったりで結局は楽器としてのピアノとはいえないものでした。

こちらの写真は5~6年ほど前国内の楽器店の倉庫で見かけた中国製のグランドピアノです。
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一見普通のグランドピアノですが、鍵盤は押すと元に戻らない、ペダルは踏むとダンパーが上がったままと、全く弾けない状態でした。その時点では「ピアノの形をした置物」でしかありませんでした。
これほど酷いのはなぜかとたずねましたら、中国でも乾燥した地域のピアノメーカーの製品なので多湿な日本に持ち込んだらこうなった・・との事。

それから数年で飛躍的に品質が進歩したのは国内の技術者が多く現地でのピアノ製造の支援をするようになったからだと思います。国内で人気の出るデザインの設計から好まれる音色など研究した結果が出ているようです。
調律師泣かせの粗悪なピアノが減ってくれるのは嬉しいことですが、本音としては国産のピアノにもっとがんばって欲しい気持ちが大きいです。
国産のピアノが低迷しているのは価格の違いも大きいですが、販売店の考えも高くて売りにくい国産より、安くさらに利益率のいい輸入ピアノをメインに取り扱う傾向が強いということがあります。

ピアノを楽しく弾く人たちが増える為に良いピアノが安価で買えるようになれば生産国はどこであっても関係ありませんが、私が少し疑問に感じているのは中国製のピアノを主力商品として取り扱う楽器店の販売手法です。それらにつきましては次回掲載したいと思います。

tuner

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